自宅供養(じたくくよう)
目次
自宅供養とは
火葬が終わった遺骨は一般的に納骨堂や墓石に納めます。自宅供養の場合はそういった納骨をせず自宅に保管をしておくことです。よく似ている言葉として手元供養という言葉が取り上げられますがこちらは自宅保管というよりかはアクセサリーや宝石にして手元に置いておけるような供養のことを指します。
遺骨をそのまま家に置いておくことに対して違法ではないのかと思う方もいるかもしれません。2020年現時点では自宅供養に関する法律は定められておりません。
また納骨をしているわけではないので違法ではなく、感覚としては一定の期間納骨をするまでの間、保管をしていることになります。埋葬をいつまでにしなくてはいけないなどの期間はないのでそのままご自宅で保管しておくことが可能になっています。
方法
・骨壺のまま自宅に安置しておく
火葬が終わった後の骨壺をそのまま自宅にて安置をしておく方法です。一般的には仏間の近くに置いておくのが一番適していますが仏間がない場合はリビングや寝室に置くことが大半です。
・後飾り祭壇を使う
後飾り祭壇とは四十九日まで置いておく棚です。ほかにも「自宅飾り」「後飾り」「中陰壇」とも呼ばれています。2,3段ほどの祭壇で白い布をかけられています。
本来であれば四十九日を過ぎたら処分をして遺骨は墓石や納骨堂に納められます。後飾り祭壇は元々あくまで四十九日までの仮の祭壇として使用をしているだけなのでそれ以降は自宅供養場所としても使うことができます。
・納骨のできる仏壇を購入する
全骨納骨ができる仏壇もあります。仏間や寝室などに置いておくのと違って表立ったところに片づけないので来客時でも違和感がなく安心して自宅供養ができる。
メリット
自宅に遺骨があるので霊園や寺院に向かわずとも毎日お参りすることができます。
ですが自身が亡くなってしまったら今まで自宅供養していた分は子孫や親戚が見る必要があり、とても負担がかかってしまう。また孤独死をされた際に意外と多いのが仏壇から遺骨がでてきて供養に困ってしまうというトラブルです。遺族の方も困ってしまいますし、最悪たらいまわしにされてしまう可能性もあります。そうなってしまう前に自宅供養している遺骨は今後どうするかしっかり話し合って決めておくことが必要です。
ほかにもお墓を建てたり納骨堂に納めたりすることをしないので費用が掛かりません。自宅に置いておくだけなのでほとんど費用は掛かりません。
注意点
滅多にありませんがごく稀にカビが生える可能性があるので気を付ける必要があります。湿気の多い場所や水の近くに置かない、また日の当たる場所に置くと寒暖差の関係で仲が湿気るので気を付けましょう。カビが繁殖する可能性があり、また湿気らせないためにも素手で触らない、骨壺を開けないなどの注意が必要です。もしカビが心配でできるだけ避けたい場合は真空パックに入れると良いです。
ほかにも自宅供養を嫌がる人がいることを理解しておくことが必要です。遺骨を自宅に保管しておくことに対して抵抗のある人や怖がる人も少なくありません。自宅供養をする際には事前に相談しましょう。特にお子様に関しましては多感な時期でもあるので露骨に亡くなった人の骨が置いてあることに対してショックを受けてしまう可能性も否定できません。自宅供養をする際には多少の見た目も気にする必要があります。
また自宅供養をよく思わない人もいます。仏教においては納骨が遅くなったからといって成仏できないという教えは有りません。神道などもそういったことはないので心配する必要はありません。ですが気持ちの問題としてよく思われないという人もいるのでその点でもしっかり相談をして決めることが必要です。