採石廃土(さいせきはいど)
目次
採石廃土を適切に処理するための法律とは
採石廃土とは、建築用や工業用などの岩石を採取する際に発生する残土のことを指します。
土木建築用及び工業用等各方面に用途を有する重要な地下資源である岩石を有効に開発するために、昭和25年、採石法が制定されました。岩石の採取に伴う災害を防止し、採石業の健全な発達を図ることにより公共の福祉の増進に寄与することを目的に、その後改正を重ねています。
採石法の対象となる岩石は主に24種類。花崗岩(「真砂土」を含む)、せん緑岩、はんれい岩、かんらん岩、はん岩、ひん岩、輝緑岩、粗面岩、安山岩、玄武岩、れき岩、砂岩、けつ岩、粘板岩、凝灰岩、片麻岩、じゃ紋岩、結晶片岩、ベントナイト、酸性白土、けいそう土、陶石、雲母、ひる岩です。
採石業を営んでいる業者は、毎年3月末日までに、採石法施行規則第11条に基づき経済産業大臣の定める業務状況報告書を岩石採取場ごとに経済産業局長に提出することが、義務づけられています。
また、採石業の登録を受ける事務所は、岩石の採取に伴う災害の防止に必要な知識及び技能を備えた有資格者の採石業務管理者を1名以上置く必要があるなど、採石業が適正に営まれるように法律が整備されているのです。
採石廃土の流出防止、適正な処理が採石場の課題
採石場が抱える課題として、採石する際に出る廃土の処理が挙げられます。採石場では,砂利や砕石などの粗粒分を採取し、残留した細粒分は残土として廃棄しますが、残土を河川などに放流すると水質汚濁などを引き起こすため、適正な残土処理が求められています。さらに採石場において、建設廃土などの受け入れをしているケースもあります。
このような採石場における廃土は、例えば採石場における堀下がり採取跡地に対する埋め戻しへ活用する他、近年では、砕石細骨材としての活用、採石廃土の土壌改良材としての活用などの取り組みも見られます。
また、採石場については、周辺環境への影響緩和、景観の改善、災害の防止等の目的で、その周辺部に一定の緑地を保存することや採取跡地を緑地回復することなど、環境保全の重要性に対する関心が高まっています。中でも廃土流出の懸念がある廃土たい積地等では、廃土の流出の防止等のために植生被覆し、緑地回復する方法などが注目を集めています。
環境問題や災害防止など様々な観点から、採石廃土の有効な活用は急務といえるでしょう。