リサイクルショップ(りさいくるしょっぷ)
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“リサイクルショップ”は海外でも通じる?
「リサイクルショップ」とは、古物商の一種で中古品や未使用品などを売買する店舗のことです。主に家電や衣服、家具などを取り扱い、インターネットショップも含みます。日本では開業する場合、古物営業法によって営業所を管轄する都道府県公安委員会(窓口は警察署)の許可が必要となります。盗品の売買または交換を捜査・検査するためです。
recycle(再生利用する)+ shop(店)で、リサイクルショップという呼び名が付けられていますが、これは和製英語であり日本で作られた言葉です。本来英語ではsecond-hand storeまたは second-hand shopとなります。second-handとは「中古の、中古品を扱う」という意味です。
2009年4月にはリサイクルショップを営む上場企業8社(ハードオフコーポレーション、アップガレージ、パシフィックネット、コメ兵、ゴルフ・ドゥ、ゴルフパートナー、トレジャーファクトリー、フォー・ユー)により「日本リユース業協会」が発足しました。「リユース」とは、不要になった物を買い取り、必要に応じて修繕などを行って別の人に販売する事業のことです。対して「リサイクル」とは、元々は不要になった物を素材として別の物を作ることをいいます。中古品小売については本来の「リユース」ではなく「リサイクル」と呼ばれることが一般的となっていますが、日本リユース業協会は、「リユース」と「リサイクル」を分けて呼んでもらえるよう呼びかける活動も行っています。
エコは広まっているのに、倒産も急増?そのわけは
「リサイクル」や「エコ」と言った環境配慮への意識が定着し、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に対するニーズも高まっている近年。リユース市場の成長を背景にリサイクルショップは急速に普及してきました。ところが一方で、倒産も急増しています。帝国データバンクの調べでは、中古家電や日用品などを買い取り・販売するリサイクルショップの倒産が、2018年度は30件発生し、前年度の2倍に。背景には、「メルカリ」に代表されるフリマアプリの登場やインターネットオークションの普及があります。これらは従来「店頭買い取り」をメインとしたリアル店舗であるリサイクルショップに比べ、気軽に取り引きができること、CtoC取引(店舗を通さず販売者と購入者が直接取り引きする消費者間取り引き)を得意とすることが特徴。商材や顧客を奪われてしまい、店舗経営の継続を断念するケースが増えているのです。
新たな取り組みにより、生き残りを図る
そんな中、新たな取り組みに力を入れてさらなる顧客発掘を目指すリサイクルショップも出てきています。大手のゲオホールデイングスでは、他社の余剰在庫を販売する新業態店を展開。新品に近い未使用品を定価の2~8割引で販売し、好評を得ています。また豊富なモバイル知識を持つ専門スタッフを育て、中古スマホ市場にも進出。さらに、衣料・服飾から家具、家電を扱うリユースの総合ショップを開くなど、他社との差別化に力を入れつつリユース市場シェアの拡大を図っています。
また、全国に180店舗以上を展開するトレジャーファクトリーでは、ブランド力を武器に大型品の出張買い取りやWEBを用いた買い取りを進めています。また、各地の引っ越し会社とタッグを組み、「引っ越し+買い取り+処分」をまとめて行う新しいタイプの引っ越しサービスを提供し始め、好調なようです。
帝国データバンクでは、「スマホアプリの登場は、リサイクルショップの競合相手になる半面、リユース品の流通経路を多様化し、市場の活性化にも貢献している」としています。工夫して次なる一手を打てば、共存して生き残っていくことも可能なのです。また、豊富な知識を持ってきめ細やかな接客サービスを行えたり、信頼性や安全性を提供できたりする点は、リアル店舗ならでは。その特徴を活かして、改めて顧客の心を掴み、存在感を増していくことも、リユース市場でシェアを伸ばしていく上での課題となるでしょう。