孤独死(こどくし)
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「孤独死」なぜ増えた?
「孤独死」というワードは、2008年初めて広辞苑に掲載されました。孤立死、独居死などと表現されることもあり、主には「だれにも気づかれずに一人きりで死ぬこと(デジタル大辞泉)」、「看取る人もなく一人きりで死ぬこと(広辞苑)」、「だれにもみとられずに、死亡すること(大辞林)」などと定義されています。その数は、年間約3万人ともいわれるなど増加傾向が続き、重大な社会問題の一つとなっています。
背景にあるのは、少子高齢化、核家族化社会による独居高齢者の増加です。さらには独居となった高齢者を取り巻く社会構造の変化も大きく関与しています。離れて暮らす家族との交流や、地域コミュニティーとの関係性が希薄になったことにより、自宅内で倒れても誰にも気付かれることなく、そのまま死を迎え、死後しばらく経ってから遺体が発見されるというケースが増加。また、震災時の仮設住宅における震災孤独死も社会に衝撃を与えました。
家族や地域コミュニティーとの接点が希薄であることから、遺体の引き取り手がないことも少なくありません。火葬や住居の特殊清掃、家屋解体、不用品回収など、孤独死の後に必要となる手続きや費用の負担先など、問題が深刻化するケースもあるようです。
高齢者だけではない。若い世代にも増えている理由とは
さらに近年の特徴としては、高齢者のみならず、若年世代の孤独死問題が浮き彫りになっているという点です。婚姻数、婚姻率の低下に伴い、独身の男女が増えていることに加え、失業や病気、失恋や離婚、貧困などをきっかけに、自宅に引きこもりがちになる人が増えています。
気軽に頼れる人がいないことからストレスが重なり、食生活の乱れ、不摂生や住居のゴミ屋敷化などにより生活が荒み、荒れ果てた住居で一人きりで死亡している姿が発見されるケースもあります。
また40代、50代の一人暮らしの場合、高齢者のように福祉関係者が見回るといった行政のサポートなどもないため、発見がさらに遅れることもあります。
孤独死をなくすために必要なこと
このように、今や孤独死は、単なる社会問題や他人事ではなく、自分の親、兄弟姉妹、親戚、ひいては自分自身の身にいつ起きてもおかしくない、身近な問題なのです。
行政としても、見守り活動の強化や、民間企業と連携した安否確認サービス、地域コミュニティー活動の活性化など、孤独死を防ぐために、さまざまな対策を講じています。併せて、家族や友人、地域と連絡を取るなど、社会とのつながり、人間関係を絶たないようにするという個々の意識が、最大の予防策となるはずです。
他方で、もし孤独死を発見してしまった場合には、まずは警察に通報することが先決です。また、万が一家族や知人が孤独死をしてしまったという場合には、遺体があった部屋が賃貸であれば、孤独死特有の腐敗臭やシミ、汚れ、害虫などが発生してしまうので、特殊清掃を依頼するなど、専門業者へ相談すると良いでしょう。持ち家であっても、その家の処理、不用品回収、場合によっては家屋解体などの必要性が生じてきますので、一括で相談できる業者を探すことをお薦めします。