供養(くよう)
目次
「供養」の語源とは
「供養」とは、もともとはサンスクリット語の「プージャー」または「プージャナー」が語源とされ、大辞林によると「死の霊に供え物などをして、その冥福を祈ること。追善供養。」また「仏・法・僧の三宝を敬い、これに香・華・飲食物などを供えること。」とされています。
元来は、仏様や僧侶に対する行為を指す言葉だったようですが、日本では今の自分たちがあるのは先祖の存在があればこそという先祖崇拝の思想から、先祖や故人を敬うという意味合いに対して「供養」という言葉を使うことが多くなっています。
追善供養とは、生きている人が亡くなった人に対して行う供養のことで、一周忌、三回忌など故人の命日に、菩提寺などに依頼して読経によって法事を行い、親戚や故人と関係の深い人が集まり、冥福を祈って供養することを言います。
供養のスタイルとは
仏壇やお墓、位牌などを新しくする際に僧侶を招いて読経をすることは、仏像の目を開くという意味から開眼供養と呼びます。仏様の魂を入れ込む大切な供養であると同時に、お祝い事でもあるため、供養の後は会食会を開くのが通例です。
開眼供養は四十九日や一周忌などの納骨式と一緒に行う場合と、開眼供養のみ行う場合があり、それぞれ参列者の服装などが異なるので注意が必要です。納骨式も一緒に行う時は開催側も参列者も喪服が望ましく、開眼供養のみの場合は貴金属のアクセサリーなどを控え、黒の礼服やスーツなど、無地の落ち着いた色合いの服装で参列します。
生まれる前に亡くなった子供や、さまざまな事情でこの世に生を受けることのできなかった子供の冥福を祈る水子供養、遺族などが死者の遺骨の一部をペンダントに入れて身に付けたり、骨壺などに入れて身近な所に置いておいたりする手元供養など、「供養」の思いや「供養」の方法はさまざまです。しかし、大切な人へ思いを寄せる気持ちに変わりはありません。
日本人の考える「供養」の対象になるのは?
先祖や死者に対する追善供養の他にも日本では、仏壇の供養、動物の供養、針、写真、人形、鏡、経典、手紙、表札、印象、名刺、携帯電話などさまざまな物に対して「供養」を行います。
特に、先祖や故人の思いが込められた物に対する「供養」は、親族や周囲の人の心を静めるためにも重要な行為です。そのため、故人の遺品整理などを業者に依頼する際にも、注意が必要です。単に不用品として処分する業者、不法に処分する業者などが多い一方で、提携寺院などへ依頼して愛用していた衣類や趣味の品、写真、人形など、故人や遺族にとって思い入れのある品を丁寧に扱い、合同で供養してくれる業者もあります。実績などをしっかり調べてから依頼すると良いでしょう。