eマーク(いーまーく)
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自動車に関係する「eマーク」とは
EU加盟国(欧州連合)向けに自動車部品を輸出する際、製品に表示が求められる適合マークのこと。EUでは、自動車部品の流通において、品質基準や環境基準を徹底するため、欧州連合各国に適用される指令に基づく認証の取得が義務付けられています。これは、純正部品、補修部品を問わず、いずれの製品にも課せられるもので、日本から自動車部品を輸出する際にもこの認証の取得が求められます。
製品の安全性や品質性能の確保、環境負荷に関わるものなど、EU指令によって定められた54項目の技術基準ごとに取得が義務付けられ、認証を取得した製品には「eマーク」を表示するように規定されています。
メーカーはISO規格の遵守も
製品が基準を満たし、認証を取得していることに加えて、メーカーには品質管理体制の維持も義務付けています。品質管理に関するISO規格(ISO9001もしくは9002)を取得するか、同水準の品質管理体制が求められます。
「eマーク」と「Eマーク」違いは?
こうした厳格な規制により、自動車の安全性や環境性能の向上を促したEUの取り組みは、先進的で、世界の自動車産業に安心・安全という価値領域を確立しました。また、EU加盟各国で一度認証を受けた「eマーク」製品は、EU各国で流通が可能になるため、市場競争の活性化にもつながっています。
同様の適合マークに、国連欧州経済委員会(UNECE)が作成したECE基準に基づく認証を受けた「Eマーク」があります。国連欧州経済委員会の加盟国は、ヨーロッパを中心に、北アメリカやアジア諸国など50カ国以上。現在では、世界各国で流通している日本製の補修部品(アフターパーツなど)のほとんどに、「eマーク」や「Eマーク」が見つけられるはずです。身近な物としては、タイヤが挙げられます。その他に、ディスクブレーキパッドやマフラー、ワイパーブレードなどにも表示されています。
これらのマークは従来、輸出向けの部品を対象にしたマークとして認知されてきました。それが現在では、欧州自動車メーカーに限らず、日本を含む各国の自動車メーカーも、部品のサプライヤに対して「eマーク」や「Eマーク」の取得を求めるようになっています。